妄想夜話:八雲立つ

黄泉医学 死に方の極意

黄泉医学 死に方の極意

  • 作者:奥山 輝実
  • 出版社/メーカー: ヒカルランド
  • 発売日: 2018/10/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 魔界へ光の道を通し、魔物たちを清浄すべし

 そう天命を授かり、天照大神さんからは勾玉を、素戔嗚尊さんからは大剣を、後戸の大神さんからは横笛を、恵比須さんからは金の火打ち石をいただいたのですが、実際にどのように想念すればよいのか? は謎のままでした。
 ただ、我が家を訪れる魔物たちも次第に大物化してきていることは事実で、さぁ いよいよ魔界へ・・・の覚悟をしっかりと持たなくてはならぬことは感じ取れていました。
 魔界に想念をフォーカスしただけで、眩しい光に包まれます。見渡すかぎりの魔界が愛の光で一瞬に浄化されてしまいます。愛の光を浴びた魔物たちもサラサラと溶けて光の粒になってしまい、天空へと昇っていきます。
 私には、天空に六次元の神々の世界が見えますが、「魔物や三次元人には無限に広がる眩しい光にしか見えないのですよ」と観音さまはおっしゃいました。
「人間の死後、魂が天空へと昇っていく時、白い雲を突き抜けていくことがあるでしょう。清浄された魔物たちは、あの雲になるのです。ほら、三次元波動の目で天空を見上げてごらんなさい。彩雲が見えるでしょう?」
 確かに観音さまのおっしゃるとおり、七色の彩雲が天空にたなびいていました。
「人間界にも魔界にも我欲と煩悩ばかりがはびこっていますが、それらを清浄すると、最後には七色の光の粒が残るのです。七色は我欲と煩悩の華です。どんな我欲と煩悩も浄化し尽くせば、その本質の華に戻ります。それは魂ではないので、光の世界、神々の世界へ入ることはできませんが、七色の彩雲となって光の世界を護ってくれています。
 あなたにお願いしたのは、魔界に光を届けることです。あなたの内なる愛の光をランタンのようにかざして魔界を歩くだけで良いのです。
 昨年秋、闇に幽閉されていた天照大神さんの封印を解き放っていただき、愛する素戔嗚尊さんのもとへと送り届けていただきました。あれから天照大神さんと素戔嗚尊さんは愛の光を大きく育み続けてくれています。あなたが胸に下げている勾玉は、その愛の光そのものです。魔界で特別に何かをする必要はありません。その勾玉が魔界を愛の光で照らして、魔物たちを清浄してくれます。
 あなたがやるべきことは、毎夜、魔界を想念することだけです。あなたが歩んだ後には、八雲立つ彩雲が輝いて見えますよ」